株式会社シェアハピネス
サステナブルなモノ語り
WWFの公式通販PANDA SHOPの製品メーカーにコパンダがインタビュー!
サステナブルなモノづくりの裏側をレポートします
※記事内容はすべて、WWFジャパン会報「地球のこと」掲載時の情報です(一部改訂有り)。
& CRAFTS(株式会社シェアハピネス)
※株式会社シェアハピネスは、2022年3月に株式会社455studioに社名変更されました。
山本さん:はい、コパンダくんどうぞよろしくお願いします!シェアハピネスは2016年に私の母が設立した会社です。それまで母は、祖父母が興した製材屋で働いていたんですが、内装や家具に使われるような高品質な木材でもひとたび端材となれば「規格外」とみなされ、粉砕されて紙やバイオ燃料の原料となってしまうことに、もったいなさを感じていたそうです。なので、その品質の良い端材に手を加え「木製品」として新たな命を吹き込むことで木材を最大限に活用したいという思いでこの会社をスタートさせました。森に関わる林業従事者の労働環境からそこに棲む生きものの生息環境にまできちんと配慮して生産された「FSC®認証」の木材を使用して、サステナブルである事に重点を置いたモノづくりを行っています。
山本さん:現状の木材製品って、安くて気軽に手に入るけど出どころの不確かなものか、もしくは、ザ・匠!みたいな、高品質だけどお値段の張るようなものか、けっこう両極端なところがあるんですよね。なので、その中間というか、そこまで気負わずに買えて、でもサステナブルで、ちゃんとデザインにもこだわりがあって、いろいろな世代の人たちに日常的に使ってもらえるようなものを作るように心がけています。例えば服とか食べ物って、自分の好みや信条に合わせていろいろ選べますよね。木材製品にもそういった選択肢を増やせたらなぁという思いがありますね。
山本さん:それから、製品に「余白を残す」というのも大切にしているんです。例えばシェアハピネスが手掛けたパンダショップの「木製リース」や「靴べらキット」のように、最終的な仕上げをお客様の方でやってもらうこと、それを私たちは「余白を残す」って表現しているんですが、それがたとえボンドで貼ったりやすりで削ったりするだけの作業でも、意外と発見があったりするんです。それが木材や森のことを考えるひとときになってくれればといいなと思っています。
山本さん:そうなんです。山梨県は国内でも珍しく県有林がFSC®認証を取得しているので、私たち地元の企業は認証材の調達が比較的容易なんです。地元の材は輸送コストも最小限にできるので、最終的な製品の価格を抑えられる秘訣にもなっています。
山本さん:そうですね。シェアハピネスは社員5人の小さな会社なので、製品づくりは同じくFSC®認証を取得したグループ会社と協力して行なっています。丸太の仕入れから製材・加工・販売までの間に私たちを含めて計3社が携わっているんですが、それって分業制が基本の木材業界ではかなり少ない方なんです。なので、製品の価格を抑えつつも、且つ木材の調達についてより高い透明性と信頼性を担保できるというのは私たちの一番の強みといえるかもしれませんね。
山本さん:最近はWWFさんはじめいろいろな団体や企業さんと一緒にモノづくりをする傍ら、「&CRAFTS(アンドクラフト)」という自社ブランドの商品を製造販売したりと、おかげさまでお仕事の幅も広がってきました。一方で、FSC®認証の木材製品を選ぶことの大切さがなかなか広く認知されないことにはもどかしさを感じています。消費者が求めないことには企業も動けないというジレンマもあるので、まずは「木材の持続可能な利用が、最終的に森やそこに棲む命も守ることにつながるんだ」という一番大切な部分を、いかにお客様にわかりやすくお伝えしていけるか、それが今の課題だといえますね。そのあたりはWWFさんや他の企業さんともぜひ協力して取り組んでいきたいです。
Company Info
株式会社シェアハピネス(山梨県)
※2022年3月に「455studio」に社名変更されました。
FSC®認証を取得した山梨県産の木材を使用し、サステナブルである事に重点を置いた木材製品の製造販売を行う企業。自社ブランド「&CRAFTS(アンドクラフト)」での生活雑貨の製造販売をはじめ、企業OEMやノベルティ制作、店舗の内装・什器の企画製造などを手掛ける。