小林メリヤス株式会社
サステナブルなモノ語り
WWFの公式通販PANDA SHOPの製品メーカーにコパンダがインタビュー!
サステナブルなモノづくりの裏側をレポートします
※記事内容はすべて、WWFジャパン会報「地球のこと」掲載時の情報です(一部改訂有り)。
小林メリヤス株式会社
パンダショップのブランケットやベビーギフトセット、ガーゼハンカチなど、オーガニックコットンアイテムの製造を行なっています
木村さん:コパンダくん、どうぞよろしくお願いします。おかげさまで、今年で創業73年になります。もともとは義理の祖父がこの地で製糸工場を営んでいまして、戦後、絹糸の需要が縮小したために製糸工場は閉業したんですが、義祖父の息子である私の義理の父が、余った糸で服を作って近所の子供たちに無料で配りましてね。これが、物が不足していた時代っていうのもあってすごく評判が良くて。これをきっかけに、新たにベビー子供服の製造業を営むことになったんです。
木村さん:創業時の想いみたいなのは、今も大切してるんです。70年間ずっと現役で使っている編み機もあるくらいでして(笑)。昔ながらの確かな技術をベースにしながら、新しい技術もうまく取り入れて、こつこつまじめにモノづくりを続けてきた甲斐もあって、有名子供服ブランドさんなんかと一緒に製品作りをすることも増えました。2020年にはパンダショップさんともお付き合いが始まりまして、パンダロゴや動物のモチーフを使ったアイテムをいくつも作らせてもらってます。
木村さん:GOTS認証は、簡単に言いますと、オーガニックの繊維製品の基準と認証マークのひとつですね。有機栽培の原料を使用して、環境と社会にきちんと配慮して加工・流通されたことを示すものです。数あるオーガニックの国際認証の中でも一番基準が厳しいと言われていまして、日本での認証取得企業は現在でも30社程度なのです。小林メリヤスは2011年に初めて認証を取得して、以来毎年監査を受けながらライセンスの更新を続けています。
厳しい基準をクリアした製品にだけ付けられるGOTS認証のタグ
木村さん:きっかけは、日本のオーガニックコットンの父ともいわれている近藤健一さんとの出会いでした。近藤さんは、国内の紡績会社で数多くの糸を作り出してきた技術者なのですが、コットン生産にまつわる環境への負荷や児童労働、農家さんの健康被害といった基本的な問題に加えて、人口増加や資源の問題といった地球の将来を見据えて、「今、生産を変えていくことの大切さ」というものを、私に教えてくださったのです。この出会いをきっかけに、2、3年先じゃなく、50年、100年先を考えて動くことがモノづくりをする者の責任だと強く意識するようになりまして、社員にも事あるごとにその思いを伝えてきました。必然的にオーガニックコットンへの切り替えをやっていこう、どうせやるなら世界最高の基準で、ということになって、会社で一丸となってGOTS認証の取得をめざしたんです。
木村さん:日本の繊維業界は他国に比べて圧倒的に「分業制」が主流でして、それが深く関係していると思いますね。GOTSが、「認証された原材料が、認証されたルートを経て加工され、最後まで認証外の繊維と混ざることなく消費者の手元に届く」ということを最も重視しているので、小さな会社が細かく分業して製品づくりをする日本では、なかなか取得のハードルが高いんです。ただ、挑戦したい企業は増えていると思うので、そこをなんとか後押ししていけるよう、日本でのGOTS認証のあり方をGOTSの本部とも議論しているところです。
Company Info
小林メリヤス株式会社
国内でも数少ないベビー子供専業のニットメーカー。人と環境にやさしいオーガニックコットンにこだわり、南アルプス市の自社工場で生地作りから出荷までを一貫して行なっている。2013年より自社ブランドcofucu babyを展開。
https://kobameri.co.jp/cofucu/
PANDA SHOPで販売中!